うつ病編

人間関係に関するトラウマが、妊娠中のうつを起こしていた。

10時間寝ても、睡眠不足。

私が妊娠してから襲われた症状だった。

学生の頃から、体も心も丈夫な方ではなかった。学生時代から、自律神経の乱れから不登校になってしまった時期もあった。妊娠を機にメンタルを崩してしまい、休職してしまった。

妊婦健診のときにはわけもわからず泣いてしまい、「うつ」を診断された。

そんな時、母から紹介されたのがtrust bodyだった。

「何か、ストレスに心当たりは?」
初回のカウンセリングで、スタッフの相場さんに質問される。

「昔から気が弱くて…。言いたいことを言えないのがストレスになっているのかもしれません。」

そう答えられたのは、自分が「うつ」について調べる中で、人間関係におけるストレスが大きく影響することを知ったから。

昔から、自分の意見を主張することが苦手で、人に気を遣うことが多かった。

気づけば、自分の中に「何を言っても聞いてもらえない」という無力感が生まれていた。

妊娠によるホルモンバランスの乱れも症状を重くした原因だろう、というのが医師の診断だった。

「根本の原因であるメンタル面から改善するため、心理セラピーを行いましょう。大丈夫。きっと良くなります」

つまり、過去のトラウマを回復するための心理セラピーを行う、ということらしい。

「自分の言葉を聞き入れてもらえない、と感じた最も古い記憶を思い出してみてください。その時はどのような状況だったのですか?」

「ここに相手が立っていて。それで叱られて…。その時に何も言い返せなかった自分がいて…。」

少しずつ、心理セラピーが進んでいく。

「そうですか…。それは大変でしたね。その時あなたはどんな気持ちになりましたか?そして、ご自身にどんな力があればそれを防げたと思いますか?」

「その場できちんと思ったことを伝えられる力だと思います…。」

「そうですね。今のあなたには、そこでちゃんと言葉を発する力があります。その時伝えたかった言葉を、当時のお相手に伝えるつもりで発してみてください」

心理セラピーを通じて自分の記憶の奥底にあったトラウマが呼び起こされて、少しずつ解放されていくようだった。

そこから自律神経をととのえるような体への施術もあわせて、少しずつ症状を改善していった結果

1年が経つころには交感神経の働きが少しずつ回復し、日中の眠気が少なくなっていった。

通いはじめて2年半で、学生時代から飲み続けてきた頭痛薬の服用も明らかに減っていった。

今では「精神薬も手放せるのでは」と、そんな予感すらしている。

症状が自分でコントロールできるようになった今、思う。

昔、自分ががんじがらめになっていたからこそ、子どもは自由奔放に育ててあげたい。

あちこちを走り回って転んでも、笑って慰められるようなお母さんになりたい。

今、なりたかった母親像を見つけられたのも、痛みがきっかけだったのかもしれない。

  • 20代女性
  • 施術期間:2年半(45回通院)
  • 担当者:相場 圭那