副腎疲労編

父としての重圧が、
動悸を起こしていた。

この世には、病院で診断されない不調がある。

その一つが「副腎疲労」。

3年前、激しい動悸が原因で救急車で搬送されたことがあった。

そこから、頭痛や手足の痺れ、肩こりなどに悩まされては、病院で「特に問題がありませんね…」と診断され続ける日々。

しびれを切らして、インターネットで調べた末にたどり着いたのがtrust bodyだった。

病院ではなかなか対処できない症状にも対応している。
途方に暮れていた自分にとっては、それだけで予約をする理由になった。

「ストレスを感じた際にホルモンを分泌する 『副腎』が硬くなってしまっています。かなりお体が頑張っているようですが…しっかりお休みできていないのでしょうか?」

娘を連れ来院して早々、カウンセリングで「落合さん」というスタッフに聞かれる。

家族のこと。仕事のこと。何から話せばいいのだろう。

不安を抱えながら、ゆっくりと口を開く。

「実は、私の息子が重度の知的障害でして。」

「今年27になる息子は私と一緒でないと寝られないんです。だから…息子が生まれてこの方、熟睡できたことは滅多になくて。」

「息子は自傷癖が激しいんです。怪我をした息子を見られて、私が『虐待をしているんじゃないか』と警察に疑われたこともありました」

「それに私には娘もいるんですが、今年就職の年で。どうにもうまくやっていけるか心配なんです…。」

家族への心配を話していくうちに、自分でも声が震えるのがわかった。

5分と聞いていた問診は、20分をまわっていた。

「本当に今まで、お父さんとして頑張ってこられたんですね。」

「…そうでしょうか?」
娘の前で自分のことをどんどん話していることに気づいて、表情が何だかゆるんでいく。

一呼吸おいて、落合さんが続ける。
「病院では症状の診断がなかったのかもしれませんが、前向きになって改善しようとすればきっと体は良くなっていきます。これから焦らず症状と向き合っていきましょう」

それから通院を続けていくと少しずつ深呼吸ができるようになり、
高血圧も落ち着いていくのがわかった。

「話を聞いてもらえる場所がある」。
それだけで、重い責任感から少し解き放たれたような気がした。

「今は、家族の健康にも目を向けられるようになったんですよ。…今度、腰痛のある妻もつれてきていいですか?」

自分に余裕がないと、本当に家族のことに目を向けられないんだ。

そう気づかせてくれたのは、副腎疲労という「痛み」だった。

  • 60代 男性
  • 施術期間:4ヶ月 (11回通院)
  • 担当者:落合 茜梨